先にやることがあるだろう
菅とは仲がいいそうだから、そのよしみもあるだろうが、年齢的にもあせりも垣間見える。自分たちの世代が逃げ切っていい思いをし、そのツケを子供たちに残したくない。だから目が黒いうちに早く税制改革を成し遂げたいという焦りが批判を承知で菅内閣に入った理由だろうと想像する。
最終的な目的としては共感できる。子孫に自分たちが贅沢したツケを残したくないという考えは当たり前のことだが、老い先短い高齢者に対して衆愚政治化している政治家レベルではなかなか言えるものではない。とくに消費税となると日本人はマスコミによって忌み嫌う税制になってしまっているタブーだから、優希ある発言である。
しかし、私が与謝野を信用できないのは消費税だけを上げて問題を解決しようとしているところだ。消費税を上げる前にやるべきことはまだまだ一杯ある。社会保障の世代間格差を出来る限りなくすような仕組みを作るとか、地方公務員の高すぎる給料をカットさせて交付金を減らすことや、大学とは名ばかりの学生を鍛えるなどの努力をしない偏差値の低い大学の助成金を全額カットするなどやるべきことは一杯ある。そして無駄を徹底排除して足りない分をお願いしますと頼むのが筋というものだ。
与謝野はそれらよりもとにかく増税ありきな印象が強く、これは菅にも通じるものがある。同じ価値観の持ち主であるために、そういう改革よりも増税で財政再建の頭しかないのだろう。しかし改革をしなければ社会保障費が天文学的数字になって消費税総勢ごときではとても補えない。与謝野は改革から目を逸らし、増税だけで財政を再建したいみたいだが、とんだ茶番である。